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つたなさの方へ

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少しざらっとした表紙に、お餅のようにふわっとした質感の帯が巻かれている。ぱらぱらとめくってみると、すっと、早朝の澄んだ夏風が通り抜けた気がした。

「〜な気がする」、「〜だろうか」という語感を心地よく感じながら読み進めると、著者は教えを与えるものとしてではなく、この世を生きる同志として、読者と対等に向き合おうとしたのかと想像した。

振り子のように揺れ動く世界の中で、揺れ動きながらも重心を捉えようとする、そんな著者のバランス感覚が、深い洞察と共に綴られている1冊。

著者が京都大学で教鞭を取っていたであろう頃、私は同じ京都市内で別の大学の学生だった。
著者の講義を受けることが出来た学生たちが羨ましくなる。私が学生だったら、毎年著者の講義を選択したい。


《ミシマ社さまのご紹介文》

もう一つの小さなものさしを いつも手元にしのばせておきたい

余計なこと、みにくさ、へり、根拠のない楽観… 法哲学という学問の世界に身を置きながら、「余白」に宿る可能性を希求しつづけた人が、余命のなかで静かな熱とともに残した随筆15篇。
昨夏に惜しまれつつも逝去した著者による、「京都新聞」での約2年間の寄稿をまとめた随筆集。

「何をしているのか、と尋ねられたら、遊んでいるんだとしか答えようがない」

「余計なことへの捨て身のうちこみが、私たちの生活になくてはならない手ごたえと手触りを与えている」
――本文より

*目次
家の中の余白
「能力」は本人のものか?
ありあわせの能力
もう一つのゴールデン・スランバー
つたなさの方へ
謝らない人
「忘れたこと」はどこに行ったか?
羨望と嫉妬
鞠と甕
悪筆
やらないではいられない、余計なこと
こける技術
黒めがね、マスクそして内心の自由
傘はいらない
大学の「へり」で

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『つたなさの方へ』

著者:那須耕介
装丁:クラフト・エヴィング商會
仕様:四六判並製変形 全104ページ
発行所:ちいさいミシマ社
発売日:2022年8月31日

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《著者プロフィール》

那須耕介

1967年生まれ。京都大学教授。専門は法哲学。おもな著書に『法の支配と遵法責務』『ナッジ!?』(共編著)(以上、勁草書房)、『社会と自分のあいだの難関』『バーリンという名の思想史家がいた』『ある女性の生き方』(以上、SURE)、共訳書に『熟議が壊れるとき』『メタフィジカル・クラブ』など。2021年9月7日逝去。享年53。

▼ぜひこちらも併せてご覧ください。
このミシマ社さまのまっすぐな心のこもった文を読んで、私はこの本を読みたい、届けたいと思いました。
「ちいさいミシマ社の挑戦|【第3回】那須さんとの永遠の本づくり」
https://www.mishimaga.com/books/chiisai-chousen/004587.html

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